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美生柑 | 実り菓子 栗のみ堂

美生柑

「美生柑」
  • BLOG 2019年4月1日

    先日FaceBookのほうで紹介した新商品

    🍊美生柑プリン🍊

     

    和製グレープフルーツといわれる美生柑、とても瑞々しく、酸味と苦味は柔らか。
    栗のみ堂では愛媛産の減農薬のものを使用しています。

    仕入れ元はこちら↓↓

    https://www.facebook.com/CitronEtCitron

     

    見た目はカラメルソースの無いプリン。

    ですが、ほのかな酸味と苦味、瓶の蓋を開けて口にした時の香り、なめらかな食感。

    かなり美生柑を再現できたのではと。

    杉野英実さんの著書『素材より素材らしく』の言葉をいつも心に、表現することを目標にしています。

     

    この柑橘をつかったプリンには、16年間の思い入れがありまして。(この先長文です💦)

    20歳のころ大阪の十三で、親友とルームシェアをしており、福島の/scrubというレストランでパティシエとして働いていました。今以上に未熟だった自分は、彼女と共に夜な夜な十三駅~西中島南方駅辺りのお店で食べて話して飲みつぶれておりました。
    そこで十三という街にしては珍しい『Bistro Coco treize』という綺麗なお店で、同い年の駆け出しのギャルソンと、生まれて初めてのフレッシュのポルチーニ茸、美味しいキッシュロレーヌ、グレープフルーツのプリンに出会いました。(当時の職場では乾物のポルチーニを使っていました)

    Bistroという割には大衆的ではなく、料理人を目指してでもなければあまり若者が入る雰囲気ではない中…

    生のポルチーニってどんなんですか?と尋ねたら、しばらくして彼が厨房からポルチーニを借りてきて見せてくれたことで、緊張がとけて楽しく食事をできたことを覚えています。

    その後何度か通う中で食べたグレープフルーツのプリンが感動する美味しさで、日々新しいデザートを考えて過ごしていた私は『オレンジでこんなプリンを作ってみよう』と思い立ちました。
    試作期間中は柑橘の持つ酸と卵と乳製品のバランスで、なかなか納得がいくものが出来ず化学にうちのめされましたが、ようやく仕上がったプリンはクリスマスのデザート盛りの1品になりました。

     

    しばらくして、/scrub も、Bistro Coco treize も閉店しました。その後ギャルソンの彼が配された苦楽園のbrasserie pierrot へも通いましたが、そこも今は閉店してしまいました。

    そして20代後半、勤めていたパティスリーから転職を考えたていた時に、pierrot のグループ店の Coeur de France が、北浜へ移転オープンする際のオープニングスタッフを募集しており、働くことに。

    そこで、ずっと好きだったグレープフルーツのプリンを仕込むことになって配合をみた時

    「わー……想像してたのと全然違った」

    と。

    ①かつて必死に想像をふくらまし作ったオレンジのプリンも大事な財産。

    ②実際に入社して作ったグレープフルーツのプリンは、数年越しの答え合わせ。

    ③そして、美生柑に出会って作ったプリン。

    ②にならって③にも果汁を使ったカラメルソースをかけようかと思ったのですが、プリンだけのバランスを崩したくなくて、やめました。

     

    Coeur de France では、20歳で出会ったギャルソンとは別店舗ながら同僚になり、ポルチーニを運んだときは実は緊張していたとききました。
    今は同じく同僚だった料理人と共に、大阪北エリアでお店をやっています。

     

    長々と書いてしまいましたが💦

    色々なお店で働くことを、否定的にとらえられたことは多少ありましたが。

    自分なりにその時々に、

    そのお店でやりたい事をやって納得して区切りを付けてきたので、後悔はないので良しとしています。

     

    軽やかなプリンに思い入れがぎっしり詰まってます笑

     

    最後に、春のお菓子の写真を…(FaceBookのほうでは上げていました)

    栗のみ堂FaceBook↓↓

    https://www.facebook.com/kurinomi.kanazu/